SST 摂食嚥下サポートチーム

SST-摂食嚥下サポートチーム(Swallowing Support Team)とは?

SSTとは、摂食嚥下サポートチーム(Swallowing Support Team)の略のことであり、嚥下障害を有する患者様の診療を行うために組織された医療チームです。2021年4月に発足し、急性期病棟からの早期チーム介入を目指し、適切な評価を行なった上で、明確なゴールを設定し、アプローチすることを志しています。入院する高齢者の肺炎の7割は誤嚥性肺炎であるとの報告があり、その発生の多くが嚥下機能の低下に基づくものとされています。当院では、脳血管障害後遺症、パーキンソン病を中心とした神経筋疾患、頸椎疾患、慢性閉塞性肺疾患、認知症など、さまざまな原因による嚥下障害の診療に取り組んでいます。当院で作成した 「嚥下障害診療アルゴリズム」に従い、診察、嚥下内視鏡検査・嚥下造影検査などによる診断に基づき治療計画を立案し、栄養療法、薬物療法、リハビリテーションを行います。

構成メンバー (*:SSTコアメンバー)

  • 歯科口腔外科医師:SSTチェアマン *
  • 摂食・嚥下障害看護認定看護師 *
  • 管理栄養士 *
  • 薬剤師 *
  • 言語聴覚士 *
  • SSTリンクナース (病棟・外来)
  • 臨床検査技師
  • 診療放射線技師
  • 理学療法士・作業療法士
  • 社会福祉士
  • 医療事務職員

活動内容

  1. 診察
  2. 嚥下内視鏡検査
  3. 嚥下造影検査
  4. 嚥下内視鏡での薬剤残留試験
  5. 治療計画の立案
  6. 栄養療法の選択
  7. 服薬方法の選択、薬物療法の検討
  8. リハビリテーションの実施
  9. 摂食機能療法の実施
  10. カンファレンス、ミールラウンドの実施
  11. 患者様・ご家族、施設への退院時指導
  12. 院内・院外への教育、勉強会
  13. NST・SST褥瘡対策チームカンファファレンス合同会議、SSTコアメンバー会議

各職種の役割

歯科口腔外科医師
SSTのリーダー
診察、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査などの精査を行い嚥下障害の原因検索と診断を行う。
治療計画の立案を行い、チームの統括と方向性を指示する。
摂食・嚥下障害看護認定看護師
嚥下障害のある患者様を抽出し、SST介入をする。
SSTカンファレンスでの決定事項を病棟へ伝達・指導する。
SST小委員会のリンクナースと協力し各病棟での問題を話し合い、誤嚥・窒息予防に努める。
摂食嚥下障害に対しての知識と技術向上のための教育を行う。
管理栄養士
栄養評価を行い、必要栄養量の算出と栄養療法の提案
検査食の準備と内容の提案
疾患別食種・食形態の検討や補助栄養食の提案と準備
調理師への調理と食形態指導、教育
薬剤師
摂食嚥下機能に影響を及ぼす薬剤の抽出
薬剤残留試験に基づいた服用薬の適切な剤形や服薬方法の提案
摂食嚥下機能の改善が期待できる薬剤の提案
言語聴覚士
疾患別リハビリテーションとして、口腔・嚥下評価、訓練
嚥下機能低下を認める患者様の疾患別リハビリテーション介入依頼の相談
疾患別リハビリテーション介入患者様の嚥下機能に関する情報共有
食事時の姿勢調整
摂食機能療法の立案、指導、評価
看護師
嚥下障害のある患者様を抽出しSST介入依頼を行う。
病棟での摂食状況を把握する。
カンファレンスで提示された栄養療法・摂食機能療法・ケアを実施する。
臨床検査技師
嚥下内視鏡検査の補助
栄養評価及び必要な検査項目に関しての測定・報告
診療放射線技師
造影剤の調製 、嚥下造影検査の補助
理学療法士
作業療法士
上下肢、体幹、呼吸筋の筋力向上への対応
姿勢調整、シーティングの依頼に対応
摂食動作に対しての相談対応
適切な食具の選定
社会福祉士
患者様の心理的・社会的・経済的問題の解決、調整、援助
退院・社会復帰の援助
医療事務職員
診療報酬に関わる情報提供・算定
嚥下内視鏡検査・嚥下造影検査の検査件数の月報